11理事長所信

2011年度スローガン|寛容 己を律し次代を担う器たれ

理事長所信

2011年度 社団法人加古川青年会議所 理事長所信
第53代理事長 竹内 一弘

はじめに
この国を覆うばかりの将来に対するぼんやりとした不安。
迷走し混迷を極める経済状況の中で明るい未来を描くこともできず、そこで繰り広げられる効率至上主義という題目のもと、大切なものを意図的に忘れた空疎な社会。この国はいったい何処へ向かおうとしているのか。
確かに我々は物質的には豊かになりましたが、ともすればあらゆる事象を一般論にすり替えて語り、見て見ぬふりをしてきたのかも知れません。この国の現状という「結果」は、我々自身が見て見ぬふりをしてきたことに「起因」しており、日本人としての伝統的な美徳を置き去りにし、その挙句、親が子供を見捨てるような悲しい事件までが日常的におこってきました。
この喪失感を埋めることができるのは、本来、我々が持っていた伝統的精神である「寛容」な心を取り戻す以外ないと私は信じます。

本当に大切なものは、いつも目に見えない
古来より日本は、その伝統的精神である美徳の根幹として「寛容」がありました。それゆえに諸外国の文化を取り入れてきたことは勿論、他を認め、時には己を下げてまで他を気づかう気風を培ってきました。「おもいやり」「おもてなし」などに代表される利他の心は、相手の立場になって考え、「和」を形成してきました。我々には衆知を集めてものごとを考え、衆知を持ってことを決するという伝統があります。しかしながら、今の我々はどうであろうか。本来の目的を見失い、各々が自らの利益ばかりを追求し、本来あるべき自分自身をも歪曲して語り、己と向き合うことを敢えて排除してきているように思えます。今こそ日本人の精神の在り方というものを改めて考え直し、無関心と戦わなければなりません。現在の状況は我々一人ひとりの責任であることを自覚して、もっと身近に、そしてもっと真剣に国や組織や我々の在り方を考え直さなければならないのです。自分の足りなさに気づいて初めて社会と向き合うことができるのではないでしょうか。
見渡せばこの世は、多様性に満ち溢れています。多様性は全体を強くします。大事なことは、多様性を認めながらも秩序が保持される必要があるということです。秩序とは常に主座を保つという姿、言い換えれば自分自身を見失わないで、自主性、主体性を持って他を受け入れ、尊びつつ、これを活かしていくということでもあります。つまり「寛容」とは己を律することによって自分自身を受け入れ、そこから「人のお役に立つこと」を考えの中心に据えて行動することを指します。ものごとには必ず中心が存在し、そこから大きく派生していきます。私は青年会議所とはそうあらねばならないと考えています。多くの人の協力が得られてこそ、より大きな仕事をすることができるのです。

「つよい」人間に育まれた「やさしい」社会
明るい豊かな社会を実現するためには、どうしても我々一人ひとりの人間性を高めなければなりません。そのためには人間性を高める教育を興さなければなりません。教育とは、まっとうな大人の生き様を伝えることであり、そんな説得力のある大人の背中を魅せ続ける事こそ、今日の我々に求められている最大の責務であるというべきです。大人の背中を見て、そこに憧れや偉大さを感じなければ、子供たちは、生きることの目標を見失うに違いありません。大人が子供に何かを伝える時、我が子への深い愛情と命がけで守り抜くという強い信念と、それを裏付けることのできる実行力が伴ってなければ説得力はありません。自らの行動で語れない親であっては、あまりにも悲しすぎるではありませんか。
日本の精神性や文化を軽視してきたがゆえに、価値観の崩壊や心の崩壊に繋がってきました。子供たちの心に感謝という気持ちを芽生えさせ、自然環境を守ることの大切さ、先達を敬う豊かな心と思想を形成することで「つよい」人間に育まれた「やさしい」社会の構築を目指していきましょう。

「寛容」であるために「つよく」あれ
現在の我々を取り囲む地域経済は先行きの見えない状況かもしれません。しかし、それ以上に深刻なのは、そこに危機感を感じていても、今後の戦略を考える事なく、目の前の課題に対して何ら対応策を持ち合わせていない我々青年経済人の姿勢ではないでしょうか。自分自身の会社を公器へと成長させていく上で、自分には何が足りないのかと自問自答を繰り返し考えながら行動しなければなりません。リーダーの器を越えて会社や組織が成長することは決してありませんし、そのリーダーに可能性を感じなければ諦めの心が芽生え、結果としてそこに良い人財が集うとは到底思えません。また、市場経済的価値と環境問題を含めた社会的価値とが対立することなく、企業が積極的に社会貢献し、新しい価値観による共生型の経済システムが進みつつあります。青年会議所メンバーの企業は、さらなる積極性を持ってそれらをプラスに作用させるシステムを構築していかなければなりません。より「つよい」企業を育てることによって「寛容」な社会を創造していきましょう。

当たり前のことを当たり前にする
「創始の精神」を忘れる事なく、諸先輩方が青春を捧げて培ってこられた伝統を守り、それらを誇りにすると共に、これからの未来へと続く道のりを虚心坦懐に、そして自信を持って歩んでいく事こそが、我われの使命であります。そのためには、本質を見極める力を確立しなければなりません。それは得られた情報を精査する力であり、その情報から推察し、将来はこうなると戦略的に分析する力であり、自己の持つ情報を正確かつ効果的に伝えることのできる力をも包含するものです。組織進化と運動の一貫性を融合させ、さらなる進化を遂げるべきであり、つまりは、運動論で組織進化を考える時代が来たということでもあります。
また、我われは「創始の精神」を後世へ伝えていくという大きな役目があります。組織の存続を考えるにあたっても、またJC運動の輪を拡げるにあたっても、最も重要な課題、それが会員拡大であることは間違いありません。会員拡大ができないのは、JC運動の趣旨が理解されていないのではなくて、そこで活躍する我われの姿勢が理解されていないだけなのかもしれません。己を律し「寛容」から醸成された帰属意識を持って、各々の生き方や組織に自信を持っている人間であれば、自ずと説得力が身に付いているはずであり、必ず多くの方々にJC運動の目的や意義を理解して頂けることに繋がると信じます。
おわりに
自分を大きく成長させてくれる魅力ある組織だからこそ、我われはここに集いました。
変革の能動者たらんとするのであれば、また「明るい豊かな社会」を実現しようと決めたのであれば、まずは、「寛容」な心を持って自分自身の生き様を社会に示す必要があるでしょうし、そんな覚悟を示すことで説得力が生まれてくるのです。「寛容」を実践的な生き方の規範に定め、世のため人のために貢献できる「まちづくり」のできる「ひとづくり」を続けていかなければなりません。
JCは思い出を語る団体ではなく、未来を語る団体であります。何をしたかということも大事ではありますが、誰に何を残せたかということが最も重要なことなのです。


すべての可能性は、「ひと」から生まれるのである。

 

一般社団法人加古川青年会議所
  1. 〒675-0064
  2. 兵庫県加古川市加古川町溝之口527-5
    商工会議所館内
  3. 〔TEL〕079-423-3076
  4. 〔FAX〕079-423-3728

2010年度版Webサイトを見る

ページの先頭に戻る